リハビリテーション科
リハビリテーション科
リハビリテーションとは、患者様の身体機能の障害や損失を改善・回復させ、日常生活や仕事、趣味などの活動を再び行えるようにする治療のことを指します。リハビリテーションは身体的な問題の治療にとどまらず、心理的、社会的な側面も考慮に入れた包括的なアプローチが特徴です。
リハビリテーションは、病気や怪我、手術などによって生じた身体や心の機能の低下を、専門家の指導のもとでトレーニングや治療を行い、元の状態に戻す、または最善の状態に近づける取り組みです。目的は、患者様が自分の生活を自立して送ることができるようになることです。
身体的な効果としては、筋力の増強、関節の可動域の拡大、平衡感覚の向上などが挙げられます。特に、長期的な寝たきり状態や運動不足からくる筋力の低下(フレイル)を改善させることで、日常の動作や歩行が容易になり、転倒のリスクも低減します。
心理的な効果としては、自分の身体能力が向上することで自己評価や自信が向上し、生活の質が向上するという点が考えられます。また、リハビリテーションの過程で他の患者様やスタッフとの交流が増えることで、社会的な孤立感が軽減される効果もあります。これにより、患者様の心の健康をサポートし、生活の満足度を高めることが期待されます。
運動器リハビリテーションは、骨、筋肉、関節、靭帯などの運動器系の機能障害に対して、その機能を最大限に回復させることを目指すリハビリテーションの一つです。運動器に関連する疾患や怪我を持つ患者様のQOL(生活の質)を向上させることを主な目的としています。
運動器リハビリテーションは、筋肉や関節の機能低下、筋肉の硬さや痛み、関節の動きの制限など、さまざまな運動器の問題に対してアプローチを行う治療です。これにより、日常生活の動作やスポーツ時のパフォーマンスの向上を目指します。
専門の国家資格を持ったセラピスト(理学療法士)が、医師の診断・処方に基づき、患者様の状態に合わせてオーダーメイドでリハビリテーションメニューを作成します。
関節可動域訓練 | 外傷や手術による侵襲により低下した関節の可動域を周囲の組織の協調性を高めることで改善させる。 |
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筋力トレーニング | 筋力の低下を改善し、関節の安定性を高める。 |
ストレッチ | 筋肉や靭帯の柔軟性を高め、関節の可動域を拡大する。 |
関節モビリゼーション | 関節の動きの制限を解消し、関節の正常な動きを取り戻す。 |
物理療法は、さまざまな物理的手段を使用して身体の機能的能力を回復、維持、または向上させる治療法です。これには、熱、冷、電気、音、光などのエネルギー形態を活用した治療が含まれます。特に、痛みの軽減や筋肉のリラクゼーション、血流の促進などの効果が期待される方法です。
物理療法は、筋肉や関節、神経系の機能障害を改善することを目的としています。それにより、患者様の日常生活の動作や活動をサポートします。特に手術後の回復期や、長期的な障害を持つ患者様に対して、その障害の影響を最小限に抑え、生活の質の向上を目指します。
痛みの軽減 | 物理的手段を用いることで、筋肉の緊張や炎症を緩和し、痛みを軽減します。 |
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関節の可動域の向上 | 日常生活の動作がスムーズになり、自立した生活のサポートにつながります。 |
筋肉の強化 | 筋肉の萎縮を防ぎ、転倒のリスクを低減します。 |
血行の促進 | 足のむくみや冷えの改善、全身の健康の維持に寄与します。 |
神経機能の改善 | 感覚や運動の機能障害の改善を目指し、生活の質の向上につながります。 |
温熱療法 | 筋肉の緊張を緩和し、血流を促進する。 |
冷熱療法 | 炎症や腫れを抑え、痛みを軽減する。 |
牽引装置は、筋肉や関節の緊張を緩和し、痛みを軽減するための医療機器です。患部に適切な張力をかけることで、筋肉や関節の機能を回復させることを目的としています。
牽引装置は、患部に対して一定の張力をかけ、関節間の隙間を広げることで、神経や組織の圧迫を緩和します。
マイクロ波治療器は、マイクロ波(微弱な電磁波)を体内の深部に浸透させることで、筋肉や組織を温める医療機器です。この温熱効果を利用して治療を行います。
深部加熱 | マイクロ波は体内の深部まで浸透し、筋肉や組織を直接温めることができます。 |
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局所的な治療 | 特定の部位に直接マイクロ波を照射することで、局所的な温熱治療が可能です。 |
継続的な温熱供給 | 治療器からのマイクロ波の供給を継続することで、一定の温熱を長時間保つことができます。 |
痛みの緩和 | 筋肉の緊張を緩和し、痛みを軽減します。 |
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血流の改善 | 温熱効果により、血行が促進されることで、組織の修復や炎症の緩和が期待されます。 |
柔軟性の向上 | 筋肉や関節の可動域が広がり、柔軟性が向上します。 |
熱による火傷のリスク | 過度な照射や長時間の使用は、皮膚や組織の火傷を引き起こす可能性があります。 |
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感染部位や患部の状態 | 感染している部位や、炎症が激しい部位には、マイクロ波治療を行わないことが推奨されます。 |
妊娠中やペースメーカーを使用している方 | 妊娠中やペースメーカーを使用している方は、医師の指示に従い、治療を避けることが望ましいです。 |
干渉波治療器は、二つの異なる周波数の中周波を体表から送り込むことで、体内で干渉を起こし、一定の周波数の低周波を生み出す医療機器です。この低周波が筋肉や神経に作用し、治療効果をもたらします。
深部刺激 | 通常の電気治療よりも体内の深部に作用することができるため、深部の筋肉や神経を刺激します。 |
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痛みの少なさ | 皮膚にかかる電流が少ないため、治療中の痛みや不快感が少ないとされています。 |
局所的な治療 | 治療を必要とする部位に対して、効果的に刺激を送ることができます。 |
筋肉のリラクゼーション | 筋肉の緊張やけいれんを和らげ、リラックスさせる効果があります。 |
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痛みの軽減 | 神経の興奮を調節することで、痛みを和らげることができます。 |
血行の促進 | 組織の代謝や血行を良くすることで、回復を促進させます。 |
関節炎や筋肉疾患 | 炎症や痛みの原因となる部位の治療に効果的です。 |
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リハビリテーション | 手術後の筋力回復や関節の可動域の拡大を目的としたリハビリテーションにも使用されます。 |
スポーツ障害 | スポーツによる筋肉や関節の疲労、けがの予防や回復のための治療にも利用されます。 |